August 29, 2017

釜ヶ崎研修

28日からリーディング大学院の研修で釜ヶ崎に来ている。
前日は締め切りがあり徹夜になってしまったので、行きの電車で爆睡。12時半頃に到着して、早速たこ焼きを食べる。

千成びょうたんのところで待ち合わせ。人がくる間にお釣りをATMで降ろす。集合後、地下鉄で動物園前駅に、徒歩でココルームに到着。チェックインを済ませて、早速山田さんのお話を伺う。山田さんのご案内で釜ヶ崎を歩く予定だったが、30分ほどココルームで釜ヶ崎の歴史についてのレクを受ける。そのあと、西成センター(釜ヶ崎労働福祉センター)、釜ヶ崎支援機構などに伺う。支援機構は500床の簡易ベットを持っており、シェルターの機能を持っているらしい。夜のみの利用で、求職者にベットを提供している。ちなみに、このシェルターを作る際には簡宿の人からクレームのようなものが来たらしい。

支援機構の特別清掃を見学していると、山田さんに対して(若干動機がわからないが)不平を言う人もおり、研修参加者の中にはこれを印象的な場面として語る人もいた。釜ヶ崎は独特で、西成センターの看板を見ると、全ての漢字にふりがなが振っているわけではない、と言う点であったり。

戻ってきて、若干の休憩を挟み、おにぎり作り。そのあと夕食、夜回り。ココルームでは月に一回夜回りをしているとのこと。夏であること、それと最近襲撃事件があったために路上生活者の数は減っているらしい。

終了後、戻って反省会。

29日の午前中は2班に分かれる。ボランティアの班は午前7時50分に支援機構へ。我々は10時前にとある保育園に。google mapを頼りながら、線路の下の小便カーブを抜ける。女性の保育士さんに案内をしていただく。最初は子どもたちと遊び(プールに入っており、水をず文かけられた)、その後は奥に通され保育園の歴史や考えについて。もらった保護者用の資料には、保育園の軸となる考えの二つ目に「多文化共生と保育」という言葉があり、若干驚く。前園長が2000年代に作った資料で書いたそうだ。その当時から外国籍の子どもが一定数西成にはいたということである。今回も、何人か外国籍の子どもがおり、色々と考えることがあった。最後に園長の方と話すことができた。園長が音頭をとって、釜ヶ崎で生じる社会問題について、自分たちでどのように解決、予防できるかについて話し合う「社会問題研究会」という(ご本人は偉そうな名前とおっしゃっていたが)、とても重要な勉強会をされていることをしった。月に一回、4、5年前から始めて、次回で60回目を迎えるという。社会学関係者の名前もちらほら。この後にも感じるところですが、社会学者はこんなところにも役割が見出せるのだなと勉強になった。

2時間ほど滞在させていただき、そのあとは新世界で串カツ(子どもたちが急所を食べている姿を見てお腹が空いてしまった)。1700円程度の出費。コンビニでレッドブルを買って、釜芸(釜ヶ崎芸術大学)に。ココルームでは月に一回、無料の芸術ワークショップを開いている。今回は文字デザイナーの高橋善丸(大阪芸術大学)さんを講師に、書体についての回。先生から、三種類の書体についてのアイデアを最初に教えられる。一つ目はもとある漢字を読みに近づける、ことで、例えば球という感じの王の部分に`をつけてみたりすること。二つ目は新しい感じを作ること。三つ目は漢字を使ってイメージを表現すること。生徒(地元の人も含めて)は紙に漢字を書いたり、毛筆で書いたり、試行錯誤すること1時間、多様な作品ができあがった。個人個人が作品の意味や意図を語り、終了。

少し休憩して、ココルーム代表の上田さんにお話いただく。ご本人が実は「アート」という言葉にあまり良い感覚を持たれていないのが印象的だった。話は、アートって定義できるのか、定義できるとしても学校でその定義について教わるのか、という流れにも。確かに、アートと言われると何か想像することはできても、人によって何が意味されるかは異なるかもしれない。ご本人はそうした曖昧な言葉を使って、釜ヶ崎とそれ以外の人とのであいの場を提供するココルームの活動を表現したくないという意図が読み取れた。上田さんは、ここで出会ってもらうためにゲストハウスをつくる。泊まってもらえる、そうすることで、釜ヶ崎のおじさんと出会えれば何か、もしかしたら嫌な記憶になるかもしれないが、とにかく出会うことに繋がるといいなと考えていることが示唆された。もちろん、この見方はともすると釜ヶ崎の男性が孤独な状態にあることを前提にしているが、そのあとの質疑で、釜ヶ崎を何かの場所ではなく、状況とみなせば、釜ヶ崎的な状況にある人は釜ヶ崎外にもいるだろうし、ある意味では、釜ヶ崎はそうした状態にある人が集団として目立つため、福祉が街の基盤になっているだろうとのこと。上田さんが繰り返した「蓋をされたまま孤立している」という言葉が印象に残った。

終了後、再び新世界で夕食。食べ過ぎる。帰宅して洗濯。というのも、保育園で園児の一人にクレヨンで服を攻撃されたため。同じく被害を受けた同行者が洗剤を買っており、借りる。

3日目。午前中は水野阿修羅さんからのお話を伺う。昼ごはんは二手に分かれる。こちらは定食屋。カツカレーを食べる。初めてしっかり話した同行者が映画好きであることを知る。今年は映画好きの人と知り合うことが多い。そのあと、ひと花センターにて詩のワークショップ。当日の様子は報告書に詳しくまとめている。終了後、反省会。夜は再び串カツ。

4日目。予定より早く起きて再び反省会。釜ヶ崎の動的に見る視点。10時過ぎに解散。すぐに新幹線に乗り、1時過ぎに到着。2時前の電車に乗り、水戸へ。


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