June 3, 2017

6月3日

一瞬忙しくなり日記の更新が滞っていた。今日は科研の研究会があり、久しぶりに色々な人と話して刺激になったので、少し書いておく。

研究とお金は切っても切り離せない関係にあるが、どこまで切り離せないかは文脈による。研究科全体として予算獲得額を増やしていこうという価値観が支持される場合もあれあ、文学部的な価値観では「お金で買えないものがある(だから無理してお金をもらえなくても大丈夫)」となることもあるかもしれない。

お金がらみだと、研究を「売る」ということも、研究者の(必須ではないが)重要な仕事の一つだろう。取ってくることが重要な予算とは異なり、「売る」には「誰に」が付随してくる。例えば、本にして「売る」場合には、想定する読者はどのような人たちなのか、あらかじめ考えておく必要があるだろう。査読付きとしても十分なクオリティを目指すアカデミックなものにするのか、それとも質は若干落ちるけれども、一般の人にわかりやすいような方向性を目指すのか。

予算(研究費)にしても「売る」にしても、あったほうが、あるいはできたほうが良いだろうが、研究者には必須ではないかもしれない。極論すれば、給料から自分の分野に関する本を買って、それを読んで論文を書くこともできなくはない(かけるトピックはかなり減りそうだが)。

できた方が良いだろうが、全ての人ができるわけではない。世の中には、お金を取ってくるのが上手い人というのが一定数いる。同様に、研究を「売る」ことが上手い人もいる。個人的な感覚になるが、前者的なうまさを持っている研究者は知っているつもりだったが、後者的なうまさを持っている人は、なかなか周りにいなかった。一般受けする本よりも、査読付き論文、という文化の中で育っているからかもしれない。

今日、(もともと挨拶とかはしていたが)初めてちゃんと話した先生は、「売る」ことに長けていると思った。もっというと、自分(たち)の研究をどう売るかに関するプロデュース能力に長けていた。人を口説き落とすことに長ける人の、上手い技術の一端を見た1日だった。

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